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大切な家族に遺すエンディングノートの作り方|何を書く?注意点も解説
2024.05.07 生前整理
終活を行うときの1つの項目として、エンディングノートが挙げられます。
とはいえ、実際作成しようと思っても、どうやって作ればいいのかわからない場合もあるでしょう。
今回の記事では、エンディングノートの作り方を中心にお伝えしていくので是非参考にしてみて下さい。
エンディングノートとは?
エンディングノートとは、一言で言えば「人生の終わり方」について記したノートであり、一般的に「終活ノート」とも呼ばれます。
突然この世を去ったときに、残された家族や身近な人々が困らないようにするのが目的です。
エンディングノートは、項目や形式にとらわれる必要はなく、自由に書くことができます。介護や葬儀、埋葬の希望、家族や友人へのメッセージなど、様々な内容を記載することができます。
また、遺言書との違いは、法的拘束力の有無が大きいでしょう。
遺言書は、開封するのに家庭裁判所の検認、相続人の許可などが必要になりますが、エンディングノートには法的拘束力がない分、内容も自由で、生前でも誰でも見ることができます。
<エンディングノートを作成するメリット>
・自分の歴史、家族との思い出を共有できる。家族に伝えたい言葉を記して、思いを残せる。
・介護、延命措置、葬儀、お墓など、生前から死後の希望を書いておける。明確にしておくと、意志の疎通が難しくなったり急に亡くなっても遺族の手間も精神的負担も軽くなる。
・自分しか知らない情報を記しておくと、生きている自分にとっての備忘録にもなる。
・財産、資産を記入することで、今の自分が使えるお金についても考えられる。
・記入していくことで、これまでの人生を振り返れるので、周囲への感謝・生きる気力が改めて湧き上がることもある。
エンディングノートの作り方
作り方として、決まった方法はありませんが、基本的手順をまとめておきます。
これが必須ではなく、ご自身の作りやすいように進めてください。
①作成する目的を考える
まずは作成する目的を考えます。
例えば、「自分の身に何かあったときに家族が困らないように」「自分の想いや希望を伝えたい」「今までの人生を振り返るため」など、何が目的なのかを考えてみて下さい。
②目的が決まったら、それをもとにノートを選ぶ
形式は自由なので、どんなノートでも、パソコン・スマホのアプリなどでも問題ありません。
作成する目的に合ったノートを選びましょう。
例えば、自分に何かあったとき家族が困らないように作成するのであれば、介護・葬儀・相続などの希望を書きやすいノートを選ぶと作成しやすいです。
エンディングノート専用ノートというものも販売されているので、使いやすいものを探してみると良いでしょう。
専用だと、あらかじめ必要そうな項目が準備されているので、比較的埋めやすいです。
③どこから書いてもいい
あらかじめ項目が書いてあるノートを準備したとしても、自分が書きやすい項目から書いていけば大丈夫です。
焦って全てを埋めようとする必要はなく、考えや気持ち、情報がまとまってからゆっくりと書き進めていきましょう。
④変更があれば、必要に応じて書き換え可能
一通り書いた後も、気持ちや状況などが変わればいくらでも書き換えられます。
介護・資産・葬儀・お墓など、必要と思う項目はどんどん書き込んでいきましょう。
エンディングノートには何を書く?
エンディングノートに書く内容は自由だとわかっていても、それでは書きづらい方もいるのではないでしょうか。
ここでは、エンディングノートの項目の例をご紹介しますので、参考にしてみて下さい。
自分の基本的な情報
まず必要なのは、書いている本人の個人情報です。
一通り示すことによって、家族が行うことになるかもしれない医療や行政の手続きがスムーズに進みます。
また、自分史や経歴、思い出などの内面的な情報を書くこともおすすめです。
振り返ることで、残りの人生ですべきことが見えてくることもあります。
更に、親しい友人・知人の一覧をまとめておくと、何かあった時スムーズに連絡ができるでしょう。
具体的な内容は以下になります。
<個人情報>
・氏名
・生年月日
・血液型
・現住所、本籍地
・家族
・家系図
・健康保険証番号
・運転免許証番号
・マイナンバー
<内面的情報>
・自分の歴史
・思い出
・これまでの経歴や資格
・趣味、特技など
・性格、信念
・親しい友人、知人の名前一覧
・よく行くお店、好きなお店など
・好きな食べ物、飲み物など
このように、書きたいことを自由に探します。
財産や資産の情報
所持している財産についても書く必要があります。
預貯金、保険、年金は、死亡後に届け出が必要なので、記載してあるとスムーズです。
印鑑や証書など、不随する書類の保管場所も明記したいところですが、誰でもみれるノートなので第三者に知られないように保管方法に注意が必要です。
負の遺産も明記することで、遺族は「相続放棄」の選択肢ができるので、嘘偽りなく記載しましょう。
ローンなども残額を遺族が支払う場合もあるので、きちんと記載するか、事前に解約しておくという手もあります。
<財産や資産の情報>
・預貯金
・保険関係
・年金
・不動産
・有価証券
・負債
・タンス貯金
・貴金属
・骨董品
・価値あるコレクション
・住宅や自動車などのローンの残額
医療や介護についての希望
例えば、終末医療や延命治療について、様々な考えがあります。
本人が自己判断ができなくなった状態になってしまう前に、エンディングノートに希望が記載されていると、家族が迷わなくて済みます。
「本人の意志を尊重できた」と安心感が生まれるので、残される家族のためにも希望はきちんと書きましょう。
かかりつけ医や病院を記載しておくと、緊急な時などにも困りません。
<医療や介護の希望>
・希望の介護スタイル
・入居予定の介護施設があれば
・終末医療・延命治療の希望
・臓器提供の希望有無
・かかりつけ医と病院
・アレルギー、持病、常備薬など
葬儀やお墓の希望
葬儀やお墓のことについても、本人の希望がわかれば残された家族は迷わず進めることができるので、ぜひ記載しましょう。
<葬儀やお墓の希望>
・信仰している宗教
・葬儀の形式について
・喪主の指名
・招待したい参列客名簿
・遺影の写真
・葬儀社、斎場の希望
・納骨方法、場所の希望
・お墓について希望
相続、遺言
遺言書と違って法的拘束力はありません。
ですので、遺言書は別に作り、ここには遺言書があること、保管場所を記載しておくといいでしょう。
<相続、遺言について>
・遺言書の有無
・有る場合の保管場所
・遺言書の種類
・形見分け
デジタル遺品についての情報
デジタル遺品とは、亡くなった人のオンライン上のアカウントやデータ、ファイルなどの情報のことを指します。
これには、SNSのアカウント、電子メール、オンラインバンキング、写真や動画、オンラインストレージなどが含まれます。
エンディングノートに、それらのデジタル遺品の情報を書いておきましょう。
↓デジタル遺品について詳しくはこちらの記事をどうぞ
生前整理でデジタル遺品整理が重要な理由!やり方やポイントを詳しく解説
家族、親族に向けたメッセージ
普段ゆっくりと思いを伝えあったりする機会が少ない人が多いかと思います。
面と向かって感謝の気持ちを伝えることに抵抗のある人も…。
ですが、死後に見られるエンディングノートなら、素直な気持ちを伝えられるのではないでしょうか?
家族の大切さ、共に過ごした日々の幸せ感、何でも良いのです。
遺族にとっても最高の宝物となるはずなので、ぜひ何か残しましょう。
文章が苦手ならばイラストでも写真でも、動画でも、どんな形でも家族の心に残ります。
ペット情報
最近は1人暮らしでペットがいるという方も増えています。
その場合のペットの行き先も決めておかなくてはならないことの1つです。
事前に決めて、記載しておくことをおすすめします。
引き取り先と、ペットの個人情報も記載することで、次の飼い主さんも安心して受け入れてくれるでしょう。
<ペット情報>
・名前
・年齢、性別
・健康状態、病歴
・かかりつけの病院
・性格
・好きなペットフード
・お気に入りのおもちゃ
エンディングノートを作成するコツ
何でも自由に書けるエンディングノートだからこそ、どう作成すればいいのか迷ってしまうこともあるでしょう。
ここでは、エンディングノートを作成するコツについて解説します。
書きやすい項目から書いていく
・個人情報から書き始める
書きやすい項目といえば、まずは個人情報。ここについては、考え込む必要はないので、練習がてら淡々と書き出してみます。
友人の連絡先などもそのまま書けばいいので、比較的書きやすいです。
事実を書くだけの個人情報が、エンディングノート作りのスタートにはぴったりです。
・過去現在未来に分ける
内容を、過去・現在・未来に分けるという方法もあります。
人生の歴史を振り返り、現状が見えて、未来をどうしていきたいのかが見えてくるかもしれません。
・「家族が困らないように」必要な情報を書く
自分が亡くなったあと、家族が対応する際に必要となる情報を考えて書いておきます。
終末期の医療や葬儀のことなどは口頭で伝えてもいいですが、いざというときに決断を迫られると、やはり書き残されている方が家族も自信をもって動くことができます。
・すべてを一気に埋めない
重要なポイントをまずは記入して、あとはゆっくりと時間をかけて埋めれば大丈夫です。
書かなくては、というプレッシャーは必要ないので、空欄があっても気にせず自分のペースで情報を追加していくことで、エンディングノートは完成に近付いていきます。
家族に相談しながら
エンディングノートは1人で書くものと思いがちですが、そんなことはありません。
家族に相談しながら作成すれば、残しておいてほしい情報もわかり、家族の意見を取り入れることもできます。
事前に相談することで、希望が家族にも伝わりやすくなるでしょう。
エンディングノートの注意点
エンディングノートの作成は、自由な分いくつかの注意点があるので確認しておきましょう。
厳重に保管
大切な個人情報が記載されるノートなので、簡単に見つけられない場所に保管する必要があります。
とはいえ、銀行の貸金庫などの保管は危険です。
亡くなると、金庫を開ける手続きが大変だったりするので、うまく保管しなくてはなりません。
家族や信頼できる相手に保管場所を話しておく、ノートを2冊にわけて、個人情報を記したものを金庫、それ以外は手元において管理など、適切な保管を考えてみましょう。
また、口座番号や暗証番号などは、ノートの紛失時に第三者に知られてしまう可能性があるため、記載しない方が良いです。
法的拘束力がないことを忘れない
遺産相続の希望などは、きちんと決まりにのっとって遺言書を作成する必要があります。
プロの弁護士に依頼して作成するのも1つの手なので覚えておいてください。
定期的に書き直す
一度仕上がっても、考えや状況が変化することもあるかもしれません。
健康状態、資産状況など、年齢を重ねるとどんどん変わるものもあります。
完成して終了ではなくて、時々振り返って、修正をいれていくことで希望がより正確になっていくことでしょう。
まとめ
エンディングノートには、決まった書き方はなく自由です。
個人情報、内面的情報、財産資産情報、医療や介護の希望、葬儀やお墓の希望、相続・遺言、家族・親族に向けたメッセージ、ペットの情報など、書きたいことや家族に伝えたいことを自由に記載しておけます。
好きな項目を、好きな順番で、自由に書いていき、残された家族に必要な情報も書いておけば、本人も家族も落ち着いて過ごすことができるようになります。
また、きちんと遺言として残したいのであれば、エンディングノートだけではなく、遺言書を法にのっとって作成する必要があります。弁護士に依頼すると安心です。
ぜひ、今の自分を振り返るためにも、自分がいなくなってからの家族のためにも、エンディングノートを作成してみてはいかがでしょうか。